名前が付くまでは、業販と買取で商品とお金を回す
中古品の売り先と仕入れにはそれぞれ二つの道があり、この記事では、その四つの組み合わせのどこから始めるかを決めます。
- 小売: 自分のサイトかモールで、一般のお客さんに売る
- 業販: 同じ商品を、同業の店や業者に売る
- 買取: 一般のお客さんから仕入れる
- 業販仕入れ: 業者から仕入れる
運営者の時計店 Timeseek(timeseek.net)も、名前が付くまでは業者間の取引が土台で、小売は Shopify の自社サイトで行っています。時計は業者間の市場が大きく、許可を持っていれば仕入れも売り先も業者側に開かれています。
ブランド力・許可・資金・商材の4つで、始め方が決まる
この記事の判定で、名前で買ってくれる客・古物商許可・仕入れが楽しいか・お金を寝かせられるかを選ぶと、小売と業販のどちらから始めるかが分かります。4つの見方は次のとおりです。
- ブランド力: 自分の名前や店の名前を知っていて買ってくれる人が、今いるか
- 許可: 古物商許可を取れる見込みがあるか。中古品を仕入れて売るなら要る(申請先と書類は下)
- 資金と在庫: 仕入れてから売れるまでの期間、お金を寝かせられるか
- 商材: その商材の仕入れ自体を楽しいと思えるか
仕入れの経路(一般のお客さんからの買取か、業者からの仕入れか)は、次の組み合わせの表で選びます。
最初は回転の速い業販の行で回し、名前が付いたら小売へ移す(例)
仕入れの経路と売り先の組み合わせごとの傾向を並べた例です。数値は入れていません。
| 仕入れ → 売り先 | 利益率の傾向 | 回転 | 必要なもの | 向く時期 |
|---|---|---|---|---|
| 買取 → 小売 | 高い | 遅い | ブランド力か、モールの集客 | 名前が付いてから |
| 買取 → 業販 | 中 | 速い | 古物商許可、業者とのつながり | 最初から |
| 業販仕入れ → 小売 | 中 | 遅い | 小売の集客 | 名前が付いてから |
| 業販仕入れ → 業販 | 低い | 速い | 古物商許可、目利き | 最初の回転づくり |
- 「高い・中・低い」は組み合わせの傾向で、商材と相場で変わる
古物商許可は先に出す
中古品を仕入れて売る商売を始めるには、都道府県公安委員会の許可(古物商許可)が要ります。東京都での申請の要点です(警視庁の案内による)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請先 | 主たる営業所の所在地を管轄する警察署(防犯係) |
| 手数料 | 19,000円 |
| 個人の申請の書類 | 略歴書、本籍が記載された住民票の写し、誓約書、身分証明書。ネットで売るなら、URL の使用権限があることを示す資料も要る |
| 古物市場 | 業者が集まる古物市場で売り買いできるのは、古物商どうしだけ |
| 審査の期間 | 出してから許可が出るまで最短で1か月程度(運営者の経験)。仕入れを始める日から逆算して先に出す |
| 営業所 | バーチャルオフィスを営業所にできるかは、警視庁は公開していない。その住所では申請が通らないことがある(運営者の経験)。在庫を持つなら、鍵のかかる場所(自宅の一室かレンタルオフィス)が安全 |
ブランド力が無く許可を取れるなら、業販と買取から始める
上から順に当てます。最初に当たった行で止めます。
| 条件 | 判定 | 次の行動 |
|---|---|---|
| 商材の仕入れが楽しいと思えない | 商材を選び直す | 稼げそうでも続かない。別の商材で条件を見直す |
| 古物商許可を取れない事情がある | 新品か自社製品の小売に絞る | 中古の仕入れはしない。この記事の範囲外 |
| 名前で買ってくれる客がすでにいる | 小売の比率を上げる | 自社サイトかモールを整え、業販は在庫調整に使う |
| 資金を寝かせられない | 業販中心で回転を優先 | 利益率より回転。小売は後回し |
| 上のどれにも当てはまらない(ブランド力が無く、許可を取れない事情もない) | 業販と買取から始める | 許可を申請し、業者間の市場と買取の窓口を作る。小売は並行して小さく |
業販は電話とメールで始められ、専用のシステムは要らない
最初から仕組みを作り込む必要はありません。
| 場面 | 最初はこれで足りる | 仕組みを足すとき |
|---|---|---|
| 業販 | 電話とメール、業者間の市場、対面の取引 | 業者向けの取引先が数十社を超え、注文をメールで受けきれなくなったら、受発注をネットで受ける専用サービス(Bカートなど)を比べる |
| 買取 | 問い合わせフォームと、買取の条件のページ | ― |
| 在庫 | 在庫の一覧のスプレッドシート(在庫をスプレッドシートから始める記事) | ― |
| 小売 | モールの集客を借りる | 名前が付いてから、利益率を上げるために自社サイトを整える。カートはカートの選び方の判定表で選ぶ |
業販は集客が要らず回転が速く、小売は利益率が高いが遅い
四つを、必要な仕組みと費用の出方で並べた表です。
| 条件 | 業販(売り) | 買取(仕入れ) | 小売(自社サイト) | 小売(モール) |
|---|---|---|---|---|
| 最初に要るもの | 古物商許可、業者とのつながり | 古物商許可、買取の窓口と条件 | カートの契約、写真と説明 | モールの出店契約、手数料の理解 |
| 集客 | 不要に近い。品物と値段で決まる | 買取の告知が要る | 自力で集める | モールの集客に乗る |
| 利益率 | 低い〜中 | 仕入れ値を決める側 | 高い | 手数料分だけ下がる |
| 回転 | 速い | 相場しだい | 遅い | 中 |
| 専用サービス | Bカートなど | 不要 | カート各社 | 各モール |
業販と買取から始めるか、名前があれば小売を先に大きくする
- 業販と買取から始める: 古物商許可を申請し、業者間の市場に登録し、買取の条件のページを作る。在庫はスプレッドシートで管理する(在庫をスプレッドシートから始める記事)
- 小売を先に大きくする: 名前で買ってくれる客がいる場合だけ。カート選びはカートの選び方の判定表へ
- 迷う場合: 運営者への有料の相談も用意しています(受付は準備中)
許可を先に出し、小売でうまくいかなければ業販へ戻す
- 商材を決める。仕入れが楽しいかを自分に問う
- 古物商許可を所轄の警察署へ申請する
- 許可が出るまでに、買取の条件のページと在庫の一覧(スプレッドシート)を作る
- 業者間の市場に登録し、最初の数点を業販で回す。仕入れ値と売り値の記録を残す
- 小売は、モールか自社サイトのどちらか一つで小さく始め、名前で買ってくれる客が出てきたら比率を上げる
- 半年ごとに、四つの組み合わせの比率と利益率の傾向を見直し、小売へ移す時期を決める
戻し方は簡単です。小売の比率を上げてうまくいかなければ、業販の比率へ戻す。在庫は業販で流せるので、小売で売れ残った商品を抱え続ける必要はありません。
運営者は、この「戻せる」ことが業販から始める一番の利点だと考えています。逃げ道がある。