型番や商品名で探される商品なら、モールの集客を借りる価値がある

モールの中で検索されるのは、店名ではなく商品名です。店の名前がまだ知られていなくても、品物で見つけてもらえる。これが「集客を借りる」ということです。

運営者の時計店 Timeseek(timeseek.net)は、Shopify の自社サイトで売っています。この記事の判定は、時計を売ってきた運営者の経験から作った判断の型です。

商品の探され方・在庫の分け方・手が回るかの3つで、出すかが決まる

この記事の判定で、商品の探され方・在庫の分け方・手が回るかを選ぶと、楽天市場にも出すべきかが分かります。3つの中身は次のとおりです。

  1. 商品の探され方: お客さんが、ブランド名や型番、商品名で検索して来るか。「用途」や「雰囲気」で探すか
  2. 在庫: 同じ1点を自社サイトとモールの両方に出すか。モール用に別の在庫を持つか
  3. 手が回るか: 注文の確認、発送、問い合わせの返事を、もう一つの販売先の分まで毎日できるか

売り先は三つあり、どれが効くかは商品のジャンルで違う

小さな店の売り先は、自社サイト、国内の大手モール(楽天市場、Yahooショッピング、Amazon)、店頭(店舗がある場合だけ)の三つです。どれが効くかは商品のジャンルで違います。

小さく出して、早く試す。そのうえで、手が回る範囲でどこまで広げるかを決めます。

用途や雰囲気で探される商品は、モールの検索に乗りにくい

型番で探される商品がモールの検索に乗りやすいというのは、運営者の見立てです。

商品の探され方例モールの検索で見つかるか判定への影響
ブランド名・型番・商品名で探される時計の型番、カメラの機種名、有名ブランドの定番見つかるモールが効く
種類と条件で探される「革 財布 メンズ」「木製 食器 北欧」見つかるが、同じ種類の競合が多いモールは効くが、価格と写真で比べられる
用途や雰囲気で探される「新築祝い おしゃれ」「一点物 アート」見つかりにくい自社サイトと SNS が先
店の名前で探される常連が店名で検索店名では出にくい自社サイトで受ける

型番で探される中古腕時計の店は、仕組みを決めてから出す(例)

中古の腕時計を自社サイトで売る店の例です。実在の店ではありません。商品はすべて一点物。

項目この店の答え判定への影響
探され方型番で探されるモールが効く
在庫同じ1点を両方に出したい売れたら片方で下げる手順が要る(手作業なら遅くとも翌朝まで)
手が回るか店主一人。発送は営業日なら毎日できるが、週1日の休みに注文が入ると翌日になる出せるが、休みの日の売り越しを受け止める手順が要る
答え出す在庫の反映の仕組みと、休みの日の受注の扱いを先に決めてから

探され方・手・在庫の仕組みがそろった店だけ出す

上から順に当てて、最初に当たった行で止めます。

条件判定次の行動
用途や雰囲気で探される商品今は出さない自社サイトと SNS で店の名前を作る。モールは商品名で探される商品ができてから
常連が店名で探して来る店で、新規の客は要らない出さない自社サイトに集中する
発送や問い合わせの手が回らない出さない手が回る範囲を先に決める。モールは対応の速さも評価に入る
同じ1点を両方に出すが、売れたときに片方で下げる手順が無い出さない(仕組みが先)スプレッドシートで在庫の正を作る(在庫をスプレッドシートから始める記事)か、一元管理システムを比べる(一元管理4社の比べ方)
上のどれにも当たらず、型番や商品名で探される商品で、店の名前はまだ知られていない出す在庫の反映の仕組みを決めてから、出店の資料請求に進む

店名で探される店や手が一つの店は、自社サイトだけで足りる

店の名前で探されている店、用途や雰囲気で探される商品の店、手が一つしかない店は、自社サイトだけで足ります。無理に広げると発送と問い合わせが遅れて評価が下がり、モールの集客が逆に効かなくなります。広げない勇気も要ります。

出すと決めた場合も、在庫の反映は最初はスプレッドシートで足ります。表が一枚。

  • 商品ごとの「状態」の列を在庫の正にし、売れたら翌朝までにもう片方で下げる
  • 一点物は、下げるまでの間にもう片方でも売れることがある。そのときの連絡文(おわびと取消のお願い)を先に用意する
  • 仕組みが要るのは、在庫の動きが日に十数件を超えて、下げ忘れが実際に起きたとき
  • 担当が休む日に誰も確認できない店は、件数が少なくても、一元管理システムか営業時間外の受注を止める仕組みが要る(在庫をスプレッドシートから始める記事の判定表)

モールと併用するなら、価格と在庫の反映を分けて決める

自社サイトだけ、自社サイト+モール、モールだけの三つを、出店の場面で効く条件で並べた表です。

条件自社サイトだけ自社サイト+モールモールだけ
集客自力(検索、SNS、常連)モールの集客を借りつつ、常連は自社へモールの集客だけ
価格自由モールは手数料分を乗せる。自社は最安にモールの手数料込み
誘導―楽天市場は店舗ページ内の外部リンクを禁止。Yahooショッピングは外部サイトへのリンクを制限しないが、外部サイトだと分かる注意喚起ページを経由させる。Amazon は、誘導を制限するかどうかを公開していない―
在庫1か所同じ1点を2か所に出すなら反映の仕組みが要る1か所
手間1か所分2か所分。問い合わせと発送の速さが評価に効く1か所分
費用カートの月額と手数料+楽天市場なら下の表の出店料と売上に応じた料金出店料とシステム利用料
  • 価格は逆にしない。モールの側は、手数料込みの価格で買う人がモールの集客の中にいる前提で成り立つ
  • 楽天市場は、店舗ページ内に外部の URL を載せることも、楽天市場で集めた顧客情報を使って自社サイトを宣伝することも禁止
  • Yahooショッピングは、URL を表示するときも、ストアニュースレター以外の手段でメールを送るときも、外部サイトへのリンクだと分かる表示にする決まり
  • 同じ1点を両方に出すときの管理元の決め方と売り越しのテストは、在庫を共通にする記事にある
  • ネクストエンジンは、Shopify との受注と在庫の連携に対応する(商品登録は対象外)。自動連携にはアプリが要り、在庫の自動同期はマルチロケーションに非対応。ロケーションが1か所の店には影響しない

楽天市場は、出店料の年間一括払いに加えて売上に応じた料金がかかる

楽天市場のいちばん安いプラン、がんばれプランの費用です(税別)。

費目がんばれプラン
出店料月額25,000円(年間一括払い)。契約は1年
初期登録費用60,000円(全プラン共通)
システム利用料パソコン3.5%〜6.5%、モバイル4.0%〜7.0%
楽天ポイント通常1.0%
楽天ペイ利用料2.5%〜3.5%
売上に応じた料金の合計売上の約8%〜12%(楽天市場の料金シミュレーションの前提: パソコン20.5%・モバイル79.5%、楽天会員95%、アフィリエイト経由15%)
月商100万円のとき(試算の例)出店料と合わせて月に約10万〜15万円
最初に要る額出店料の年間一括払いと初期登録費用で36万円
  • 売上に応じた料金は、システム利用料・楽天ポイント・楽天ペイ利用料などが加わる
  • システム利用料と楽天ペイ利用料は率に幅がある。自分の店にどの率がかかるかは、この表からは決まらない

楽天に出すか、Yahoo に出すか、今は出さないかを決める

  • 楽天市場に出す: 資料請求から進めます。あわせて、在庫を共通にする仕組み(在庫を共通にする記事)と、一元管理のサービス(一元管理4社の比べ方)を決めます
  • Yahooショッピングに出す: 在庫を共通にする仕組みと一元管理のサービスは、楽天市場と同じ2つの記事で決めます。Yahooショッピングの出店の費用は、この記事の表に入っていません
  • 出さない: 自社サイトと SNS で店の名前を作る。商品名で探される商品ができたら、この記事の判定表に戻る
  • 迷う場合: 運営者への有料の相談も用意しています(受付は準備中)

数点だけ出して1か月見て、問題がなければ広げる

  1. モールの商品ページを作る。楽天市場では店舗ページに外部のリンクも URL も載せず、Yahooショッピングでは外部サイトへのリンクだと分かる表示にする
  2. 在庫の正を決める(スプレッドシートの状態列か、一元管理システム)。売れたら片方で下げる手順を決める
  3. 型番で探される商品を数点だけ出し、注文が入るか、在庫の反映が間に合うかを1か月見る
  4. 休みの日の受注の扱い(翌日発送の明記、売り越し時の連絡文)を決める
  5. 問題がなければ商品を広げる。価格はモールに手数料分を乗せた値で統一する

戻し方は、モールの出店をやめることです。楽天市場のがんばれプランは契約が1年で、出店料は年間一括払いです。

退店すると、楽天市場の商品データと顧客データはすべて消えます。再出店しても、消えたデータは使えません。自社サイトは残るので、モールをやめても店は続きます。